映画「サラエボの花」 国立市議会議員 小川ひろみ
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2008 年 1 月 11 日    
映画「サラエボの花」
〜旧ユーゴスラヴィアに生きる母と子〜
 暖冬が続くこのお正月休み、どんな風に過ごされたでしょうか?
私は、殆どの時間を子どもと遊んで過ごしましたが、一日都内へ出て、30歳代の女性監督による映画を観てきました。

…ナイトクラブでウェイトレスをして働く母親。修学旅行を楽しみにしている娘。戦死した殉教者の遺児は旅費が免除されるというのに、母親はその証明書を出そうとしない。かわりに夜も働き、金策に奔走する母に、娘の苛立ちは募るばかり。
 12年前、サラエボで起こったことを、母は、娘への愛のために、ひたすら隠して生きてきていた。しかし、戦争の傷跡が癒えない街かどで、娘はピストルを手に入れてきた。母に銃口を向け震えながら、「自分の父はどこで、どのように死んだのか?」と問いつめる。
 ボスニア内戦は、スロベニアとクロアチアが独立を主張。反対するセルビア人勢力との間で戦闘となり、民族間紛争が激化。95年、NATO軍による空爆が行われ、死者約20万、難民・避難民200万人以上といわれる悲劇となった。その中で、集団強姦による「民族浄化」、レイプされた女性の数は2万人ともいわれている。母は娘に、「他民族から犯され、身ごもって産んだのがあなたなのよ」と、隠し続けた真実を告げざるを得なくなる。…修学旅行の旅費もどうにか貯まり、母は、バスに乗り込む娘を見送る……。
 粗々の「あらすじ」となってしまいましたが、映画「サラエボの花」は、ひと組の母と子のつつましい日常を淡々と描いて、戦闘シーンや暴力シーンなど一つもないものでした。それだけに私は、無数に及ぶ戦争犠牲者となった女性たちの象徴のようなあの母と子が、いまも旧ユーゴ各地で生きている現実に打ちのめされ、しばし、映画館の席を立つことが出来ませんでした。未来を生きる子どもが、戦争のトラウマから逃れられない母の心の重荷を「告白」させることで解かせていき、非情なる現実を二人で背負って生きているのです。

 33歳の女性監督ヤスミラ・ジュバニッチは、「『サラエボの花』は愛を込めて作られた、愛についての映画です」と語っています。1月中の上映です。旧ユーゴ内の民族対立は、いまだ現実の問題です。ぜひ、多くの方に足を運んでいただきたいと思いました。




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